9月 文楽

8月の三谷幸喜氏脚本の現代文楽喜劇「其成心中」を経て
呂勢太夫さんがリフレッシュ。

スケールも大きくなって古典「傾城阿波の鳴門」に戻ってきたという気がした。

観客をひきつける包容力も十分だったし、太棹の藤蔵さんとの息も合っていたように思う。




また、今回は「急病のため代役」の多い9月だった。


「夏祭浪花鑑」の長町裏の段

代役の相子太夫は狂気が乗移ったかと思われるような形相。
団七(玉女)と義平次(勘十郎)の殺しの場面は息を呑むほどのすさまじい迫力。「殺しの美学の頂点に達する場面」と解説にあったが、まさにその通りだった。


代役の若手が大役を果たし、大きく飛躍する9月であってくれればいいと思った。