文楽5月公演

昼夜通しで観劇。

今月は見ごたえのある演目が多かった。

特に楽しみにしていたのは、絞り込んで2つ。


一部は若手の舞踊劇

「契情倭荘子(けいせいやまとぞうし)」

キラキラしたものが感じられたか。YES!


第二部は「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」

又平の世界をどのように語り描くのか。

太夫さんは慈愛のこもった語りで、観衆を引きつけて放さなかった。




それからもうひとつ。

私の好きな演目が一つ増えた。これは最大の喜び。

「壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)」阿古屋琴責(あこやことぜめ)の段」

脚本がいい。人形が三味線、琴、胡弓を弾き分けるという難役に挑む遣い手。

音楽の美しさ。

女形随一の優美な傾城阿古屋。この人形遣いだけは黒衣装をまとわない。

人形の動きで音を奏でるという大役に、カシラはもとより、左手、足の遣い手が、真剣そのものの目つきで集中している姿に、見ているこちらも背筋が伸びた。



傾城はとにかく衣装が豪華。通常の3人に加えて、両裾の面倒をみるため二人追加。一体の人形に最高で5人の遣い手が係った。

こういう仕事は女性には出来ないだろうと余計な事まで考えた。